「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで

30日のボランティアで、外来受付の整理をしていた私に
向かって、10:30頃、ほぼ身体を二つ折れにした
“女の子”
が一人で苦しそうな表情をして近づいてきた。
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_1338840.jpg

「車いすに乗ろうね」
尋ねると、朝からお腹が痛くて、いつもの「生理痛」かと
思っていた痛みが、上半身全体に激痛が広がり、吐き気
激しくて通院してきたという。

嘔吐用にビニール袋を握っている。
ポリバケツを取りに走って、膝の上に置く。

17才、高校生
未成年者の場合は必ず保護者の同伴がないと受け付けられ
ない事になっている。
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_1354445.gif

診察に伴う、処置をはじめとするすべてにおいて、受診者
側が撰別・受諾・決定を必要とするためだ。

ひとりと思っていたら、そうこうしている内に、奥の駐車
場に車を置きに行っていた父親と名乗る男性が現れた。
無表情ないかにも冷血そうな感じ・・・(私の主観)

すぐに職場に帰らなければならず、付き添っていられない
という。
「お金を持たせています。帰りはタクシーで帰るように
ちゃんとお金を持たせています。」
と言う。
娘には、ひと言も言葉をかけない
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_1343477.gif

病院側(受付担当や看護師長)は難渋をしめして、あちこち
に判断をあおぐ電話をかけている。

私、「どなたか他の家族の方をよべませんか?」に、「家族
はいません
」の返答。
二人っきりの父子家庭ということか・・・

とにかく、命に関わるかもしれないこと。
内科処置室に「運んであげて」という事になり、病院に来た
という事で少し落ち着いたのか、先程よりは表情が良くなった
「女の子」を二階へ運ぶ。
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_13265822.jpg

さみしそうな背中を車椅子をおしながら見ていると、また、
処置室に送り込んで、一階外来に下りる階段で、『憤りと哀れ』
に勝手にが出てくる。

痛みのせいもあるかも知れないが、父親同様に無表情
でも、ぐれている風でもなくトンでいる風でもなく、話しかける
素直に返答してくれるのは良い子なのだろう。
身近に甘えられる人、話せる人がいないのだろう・・・
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_1333714.jpg

「あんた!それでも親か!!」
「お金、お金・・・お金さえ渡せばいいものではなかろうが!!」

と、あの「男」に怒鳴りつけてやりたい。
悲しいかな、制服、胸のバッジがそれをさせてくれない。

死別か離婚か不明だが、ここにも親の犠牲になっている子がいる。
これも『虐待』の一種ではないか!

勝手にいろいろ考えて、こんな「子」がどれだけいることだろうか
と思うと、胸が痛む切ない“旅行明けのボランティア”だった。
「それでも 親か!!」・・・病院ボランティアで_a0052666_13342429.jpg

「あの子」はどうなっただろう・・・
by kokko48513 | 2012-11-02 13:34 | 病院ボランティア | Comments(0)

好奇心旺盛と明るさがとりえの旅大好き人間・・おもむくままの旅模様&etc.etc


by kokko48513