「初めてのドイツ」番外編・・・死ぬかと思った「ノイシュヴァンシュタイン」

「下のみやげ物店、4時50分出発です。」
「バス、馬車、歩き、好きな方法で降りてください。」
「早足で歩いたら15分余りでしょうか・・・」
「歩く人は舗装されたバス道を降りてください。一本道です。」
地道はけもの道ですから、絶対に降りないように・・・」

ノイシュヴァンシュタイン城の見学を終えて、みんなとお城を
出たのは4:10頃。

『四時半くらいには、下に着くな・・・』と歩きだした。

振り返っては写真を撮り、立ち止まっては周りの写真をとり・・・
同じグループの人たちの姿がなくなった。
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“獣道”を降りて行く外国の若い二人連れがいる。
『大丈夫か?あの人たち・・・』

道の分岐、標識の立っている所まできた。
『時間があるから、歩いていこう』

標識を確認してひとり歩き出した。
道は“くだり”、調子よく大きい声で歌を歌いながら、周りの
景色を楽しみながら・・・

10分余りも歩いただろうか・・・山道を歩いているのは“私”だけ
耳を澄ませても話し声や物音は何も無し。静まりかえっている。
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前にも後ろにも全く人影は無し。
車やバス、馬車も一台もすれ違わない。上がってもこない。
「不安」この上なし、「心細さ」の極み・・・

“冬時間”暮れるのは早い。

地理や位置関係が掌握できていない私。
前方、小高い山の上に王が少年時代を過ごした「ホーエンシュ
ヴァンガウ城」
が、歩き出した時より近くに見えている。

『道を間違ってない?おかしくない?違った方角に向かってない?』

出発時間まで25分ほど。
『遅れたらみんなに迷惑をかけるぞ』『心配かけてしまうぞ』
『連絡のとり様が無い。えらいこっちゃ!』頭の中をかけめぐる・・・

『とにかく、バス停まで戻ってバスで降りよう!』

『お城に来るためだけのバス。そろそろ終発の時間かも・・・』
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走った、はしった!(自分ではそのつもり・・・)
くだりは楽しかった道も、結構きつい登りの坂道

心臓が“バクバク”してくる。顔から火が出るような感じ。
『先日の健診で、血圧が少し高めです・・・と指摘されたんだよな・・・』
『ここで倒れたら、見つけてもらえないぞ』
『まだまだ 死んでなるものか!!』

『ハアハア、ゼイゼイ。苦しい・・・』
やっと“バス停”“10人ほどの待つ人影”が見えてきた! 
『良かった!助かった!!』

間もなく、私が戻ってきた道を“バス”が上がってきた。
『間違っていなかったんだ・・・』
『ひとつ先のカーブを曲がったら、目的の集落が見えたのかも・・・』

バスはきたけれど、時間が迫っているのになかなか出てくれない。
『ドライバーさん、知ったこっちゃないわな・・・』
ほぼイッパイになるまで城から降りてくる人を乗せて、やっと走り出した。
動き出したらあっという間に下の集落のバス乗り場に到着!
「ホーエンシュヴァンガウ城の足許」だったのだ。
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出発2分前!
添乗員のMさんの顔を見てホッとする。
「こっこ亭さん、こちらですよ!」と、手を振って下さっている。

皆さんはみやげ物店で余った時間を過ごされた様子。
ちょっと 残念。

『迷惑や心配をかけずに済んで、良かった!!』
飲んだお水のおいしかったこと!

何事も無かったように、次の街「ミュンヘン」に向かって走りだした・・・
by kokko48513 | 2009-11-20 09:59 | 旅のつれづれ | Comments(0)

好奇心旺盛と明るさがとりえの旅大好き人間・・おもむくままの旅模様&etc.etc


by kokko48513