2009年 11月 20日
「初めてのドイツ」番外編・・・死ぬかと思った「ノイシュヴァンシュタイン」
「バス、馬車、歩き、好きな方法で降りてください。」
「早足で歩いたら15分余りでしょうか・・・」
「歩く人は舗装されたバス道を降りてください。一本道です。」
「地道はけもの道ですから、絶対に降りないように・・・」
ノイシュヴァンシュタイン城の見学を終えて、みんなとお城を
出たのは4:10頃。
『四時半くらいには、下に着くな・・・』と歩きだした。
振り返っては写真を撮り、立ち止まっては周りの写真をとり・・・
同じグループの人たちの姿がなくなった。
“獣道”を降りて行く外国の若い二人連れがいる。
『大丈夫か?あの人たち・・・』
道の分岐、標識の立っている所まできた。
『時間があるから、歩いていこう』
標識を確認してひとり歩き出した。
道は“くだり”、調子よく大きい声で歌を歌いながら、周りの
景色を楽しみながら・・・
10分余りも歩いただろうか・・・山道を歩いているのは“私”だけ。
耳を澄ませても話し声や物音は何も無し。静まりかえっている。
前にも後ろにも全く人影は無し。
車やバス、馬車も一台もすれ違わない。上がってもこない。
「不安」この上なし、「心細さ」の極み・・・
“冬時間”暮れるのは早い。
地理や位置関係が掌握できていない私。
前方、小高い山の上に王が少年時代を過ごした「ホーエンシュ
ヴァンガウ城」が、歩き出した時より近くに見えている。
『道を間違ってない?おかしくない?違った方角に向かってない?』
出発時間まで25分ほど。
『遅れたらみんなに迷惑をかけるぞ』『心配かけてしまうぞ』
『連絡のとり様が無い。えらいこっちゃ!』頭の中をかけめぐる・・・
『とにかく、バス停まで戻ってバスで降りよう!』
『お城に来るためだけのバス。そろそろ終発の時間かも・・・』
走った、はしった!(自分ではそのつもり・・・)
くだりは楽しかった道も、結構きつい登りの坂道。
心臓が“バクバク”してくる。顔から火が出るような感じ。
『先日の健診で、血圧が少し高めです・・・と指摘されたんだよな・・・』
『ここで倒れたら、見つけてもらえないぞ』
『まだまだ 死んでなるものか!!』
『ハアハア、ゼイゼイ。苦しい・・・』
やっと“バス停”“10人ほどの待つ人影”が見えてきた!
『良かった!助かった!!』
間もなく、私が戻ってきた道を“バス”が上がってきた。
『間違っていなかったんだ・・・』
『ひとつ先のカーブを曲がったら、目的の集落が見えたのかも・・・』
バスはきたけれど、時間が迫っているのになかなか出てくれない。
『ドライバーさん、知ったこっちゃないわな・・・』
ほぼイッパイになるまで城から降りてくる人を乗せて、やっと走り出した。
動き出したらあっという間に下の集落のバス乗り場に到着!
「ホーエンシュヴァンガウ城の足許」だったのだ。
出発2分前!
添乗員のMさんの顔を見てホッとする。
「こっこ亭さん、こちらですよ!」と、手を振って下さっている。
皆さんはみやげ物店で余った時間を過ごされた様子。
ちょっと 残念。
『迷惑や心配をかけずに済んで、良かった!!』
飲んだお水のおいしかったこと!
何事も無かったように、次の街「ミュンヘン」に向かって走りだした・・・